空海と密教美術展

アサイチはこれ。8時前に家を出て、開館15分前に上野に集合。付き合ってくれたのはチハルとトモヤ。トモヤはマッチョの天然キャラがウリだが、到着早々、

「今日は何を見るんですか?」

知らずに来たんかい! と、初っ端からアクセル全開である。まあ、彼についてこれ以上書くのはよそう。大事なのは密教美術である。

今回の目玉は何と言っても東寺(教王護国寺)の立体曼陀羅だろうが、僕自身は既に現地で3度も体験している。僕の目当ては、行ったことのないお寺に収蔵されていたり、普段は公開されていない仏像や曼荼羅である。経典も沢山あったけど、どうせ読めないので、字の綺麗さにホッと溜息を付くだけにして、先を急ぐ。

そしてありました。清盛が作らせたという、高野山金剛峯寺に収蔵されている両界曼荼羅!でかい!多分色がかなり剥げ落ちているせいで重文扱いなんだろーけど、完成当時は物凄い迫力だったに違いない。ちなみに曼荼羅ってただ仏さんを描いただけのものじゃないんだぜ。天台・真言密教では、この世の全ては大日如来が何らかの形で表れ出たもの、と考える。だから中心に大日如来像があって、その周囲に描かれているその他の如来や菩薩は、この世界を成り立たせている様々な構造や因縁を象徴したものなんである。曼荼羅絵が何層にも分けられているのは、この世界がそれだけ多重・多層構造を成していることの現れなのだ。多分。
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そして前半のハイライトは東寺所蔵の毘沙門天立像。見たことないから多分普段は非公開?何か像全体がメタリックな輝きを放っていて、全然木から削り出された像とは思えない。甲冑の模様も美しく、たいへん見応えのある仏像だった。
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後半。醍醐寺所蔵の、どっしりとした薬師如来坐像。ものすごく大雑把な作りで、腕なんかまるで丸太ん棒である。でも、物凄く重量感があって、眺めてると妙に安心させられる、そんな不思議な仏像であった。
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次、同じく醍醐寺の、如意輪観音菩薩坐像。セクシー過ぎる。菩薩像って女性的な曲線で表現されていることがほんとに多いんだけど、これって絶対修行僧の抑圧された性欲が込められているに違いないと、僕はいつも思う。
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途中、他にもいいなと思った仏像とか明王像もあったんだけど、最後の立体曼陀羅で展示されてる仏像たちと比較すると、断然見劣りすると思ってしまったのだった。日本一のイケメン仏像、帝釈天ばかりがクローズアップされてるけれど、降三世明王増長天、そして何より最強ならぬ最恐の四天王、持国天を忘るるべからず!

まあ、その他イロイロと喋ってたんだけど、「けんさんの解説があるとメチャ面白い」と言われたこともあり、大変満足な美術鑑賞であった。まる。