ラッセルの幸福論・被害妄想③

 第三に、他人に多くを期待してはいけない。特に、最も身近で大事な人たちとの付き合いにおいて、忘れてはならないことは――しかし忘れがちなことは――相手は相手の観点で人生を見つめているのであって、あなたの観点でに立って人生を見つめてくれているわけではない、ということである。一人の人間のために、別の誰かが自分の生き方を捻じ曲げるようなことは、誰に対しても期待すべきではない。ときには、どんな犠牲を払っても構わないと思えるほど強い愛情が生まれることはあるかも知れない。しかしそうでない場合には、犠牲を払わないからといって非難されるようなことは、絶対にあってはならないのである。
 そして第四は、あなたの邪魔をしていやりたいと思うほど、あなたのことを考えている人間は滅多にいないということである。世間があなたの才能を恐れ、足を引っ張ろうとしている、などという考えは、あなたの自尊心を満足させてくれるかも知れない。しかし、それと引替えに、あなたは自分が世間と上手くいっていない、という身を切るような思いを噛み締めることになる。自己欺瞞に基づく満足は、決して堅実なものではない。したがって、真実がどんなに不愉快なものであっても、敢えて直面し、それに慣れ、そこからあなたの生活を築きあげるようにした方がよろしい。

第三のところ、結婚か仕事かってところで当てはまったりするよねきっと。仕事しながら結婚しろっての(笑 或いは自分の果たせなかった夢を子供に託す親とか。実家が学習塾やってた頃、たまにそういう親を見て反吐が出そうになったことがあるわ。

そして四番目、ちょっと話は逸れるんだけど、ラッセルは別のところでこうも言ってる。
「自信過剰な人間は失敗すると驚き、謙虚な人間は成功すると驚く。どちらも驚きには違いないが、後者の方が遥かに愉快である。」ってね。
この言葉、「失敗」と「成功」って言葉を、「批判」と「称賛」に差し替えると、第四の法則になるんだな、と今気付いたわ。

では。夜の首都高を走り抜けて参ります。