修論

僕の修論が最近やたら人気である。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1449103/?tool=pubmed
↑これなんだけど。(いやー、まだこの時期はデザインってものを全然理解しとらんね。。。図がカクカクじゃ。)

Geneticsってインパクトファクターにすれば4ちょっとの雑誌だし、刊行されてすぐの頃はそんなに注目されてなかったはずなんだけど、昨日何となく見てみたら、いつの間にやら46回も引用されている。去年と、2009年には10回引用だって。論文出たの2005年だぜ? 2007年にはNature Geneticsの論文にまで引用されてる(知らんかった)し、どうなってんだ?

・・・とはいえ、この研究、僕の人生の中でいちばん緻密に積み上げられた研究なんだよね。何てったって、師匠が考えた実験系だから。師匠の実験系を使って、放射線が起こす染色体のダメージについて、それまで誰もちゃんと調べてなかったところに切り込んでみたら、ちょっと俄には信じられないような結果が出てきたのだった。その結果を受けて、モデルを作ったのは僕。今でもあのモデルは、学会の片隅で密かに支持されてたりする。その分野の人たちの間でだけ、だけどね。

その後の僕は、実験系とか方法論とかよりも目の前で起こっている現象そのもののインパクトだけで論文書いてきたんだけど、昨日は久々に当時のことを思い出したわ。細かいことを只管やって、本当に実験してるって感じだったよなー。。。あんなに実験に打ち込めたのは、実験そのものが好きだったというよりも、迷い多き若者が、雑念から逃れるためだったんだよな、きっと。そう、何かに打ち込んでるときだけは、何も考えずに済んだ。あの頃は。

あれやこれやの迷いが晴れてしまった今となっては、あんなやり方はもう出来ないけど。