日曜日

この週末は色々あったな。24日は友人の13回目の命日で、毎年その日には彼の実家に電話をしてたんだけど、よく考えたら彼の家の電話番号がない。前の携帯がトイレにダイブしたときに消滅しまたままだった。慌てて旧友たちに連絡しようと思っても、その旧友たちの連絡先も消えてたわけで。Facebookなら、というわけで連中にメッセージを送ってみたわけだが、一切返信なし。うち何人かはオンラインになった形跡があったのに、スルーされたのは堪えた。凹みながら椅子にもたれ掛かってたら、13年前の、悲報を知ったときのことが頭に蘇ってきた。

あの日は、サークルの飲み会から帰って来ると、家の電話の留守番メッセージのボタンが点滅している。当時の僕は携帯を持っていなかったから。再生ボタンを押して、パソコンの電源を入れる。パソコンの起動を待ちながらメッセージを聞く。電話の主は、仲間内でいちばん賑やかな奴からだった。また飲み会の誘いか何かかと思っていたら、だんだん声の調子が沈んでいって「・・・死んでしまったらしい」と聞こえたような気がした。え、今もしかして死んだって言った?いやまさか聞き違いだろ、そう思ってもう一度再生ボタンを押す。電話機の前で、緊張しながらメッセージを聞く。「・・・死んでしまったらしい」。もう一回。「・・・死んでしまったらしい」・・・マジかよ。

少なくとも僕にとっては、あの出来事は人生観が変わってしまうほど大きな衝撃だった。いや、衝撃を受けていない奴なんて、仲間たちの中にはいなかったはずだ。でも、他の連中はもう忘れてしまったんだろうか。。。そんなことを考えていたら気が滅入る一方だった。

土曜になってから、何人かと連絡がついた。電話番号も教えてもらえたし、一人は今年も彼の家に花を贈ったとかいう話も聞けて、安心した。ついでに、元カノが結婚して子供も産んだらしいよみたいなことまで知らされて、何か微妙な気分になった。

結局1日遅れて彼の実家に掛けてみると、相変わらず元気な、彼の母親の声が聞こえた。ごめんなお母さん、かくかくしかじかで昨日には間に合わんくてなー、と言ったら、
「けんくん、電話番号はなぁ、104に聞いたらどこでも教えてくれらぁで」
えっ…それは…知らんかったわ…ということで、見事にオチが付いてしまった。くそう、昨日のアレは何だったんだ。