28日のハナシ3:ボス

さて,ポスター発表が終わってウロウロしてると,ボスが真剣な表情で「ちょっとココに来て座りなさい」と言う.怒られるワケではナイはずだが(小心者),それでもスコシ緊張気味にボスの横に座る.ボス曰く,
「Do you think you can finish your ph.D here in the UGA*1?」
は?ソレってもしかして?と思いつつ,「いやしかし,単位の認定等のモンダイがあるので,やはり博士号は一旦向こうに帰らないコトには取れないですね」
「O.K, then, how long does it take after you go back to Japan?」
「博士課程修了は最速で2006年の3月であります」
「So 1 year left. All right. Why don't you work with us as a posdoc after that?」
この瞬間,ワタクシは心の中でガッツポーズをしていた.実はid:KEN_NAITO:20040829でボスに「You haven't done anything!」と言われた瞬間から,ワタクシの中にヒトツの目標が立てられていたんである.


帰国までにボスに「アナタもう少しココで働かない?」と言わせてやるんだと.


思いの外早く達成されてしまったもんである.しかもコレは自分にとって大いに自信となる誘いである.いつかも書いたが,今の自分の研究分野において,この研究室は世界の最先端である.優秀なポスドク,豊富な研究費.その全てをシトリでパワフルに取り仕切っているのがこのボスである.そのボスがワタクシに向かって「オマエさんが欲しい」,と言っているのだ.自信にならないワケがナイ.
が,いちおーポーカーフェイスを保って,スグにイエスとは答えないワタクシ.ボスの態度がココまで変わったのは明らかに,最近のワタクシのクレイジーな働きぶりのオカゲである.しかし,今こんな生活が可能なのは,「あと4ヶ月」とゆータイムリミットがあるからであって,普段の状況下では,そんな気合は入れようとしてもゼッタイに入らナイ.今の働きぶりを一年中期待されていては,ワタクシはマチガイなく死ぬ(笑).実験環境は整っているが,やはりボスは,一緒に仕事をするシトとしては理想的ではナイ.ソレに,やっぱヨーロッパでポスドクやりたいしぃ〜.
でもやっぱ迷うんだよねえ.またココでポスドクをやるとしたら,少なくとも今の研究テーマで実験を続けられるし,ココならある程度頑張ってれば年2〜3本は論文を書けるだろう.ソレもかなり名のあるジャーナルに載るコトが期待できる.Geneticsなんてメじゃねえ,くらいの.二年契約ならソレを5〜6本げっちゅーデキてしまうかもシレナイ.他のポスドクの研究論文にもワタクシの名前が載るのはマチガイナイし,ソレも含めるとワタクシの名前が載る論文が10本以上稼げてしまう? ヨーロッパはソレからでもイイのでは?
…なんてね.まーあと一年あるんだし,ヨーロッパの大学も一回旅行がてらに見物しまくって,キメよっと.

*1:University of Georgia