Martin Luther King jr

で,今日はチビッコちはる,見栄っ張り名古屋人のトモヤと共に「I have a dream...」の演説が有名な,キング牧師の記念館へ行ってきた*1.んで彼の葬儀に流された,テープに録音された彼の「最後の演説」なんか聞いてて泣きそうになってしまったりしたんだが,彼(と,その時代の南部の人種差別)のドキュメンタリー映像がずっと流れてたのね.で,当時の差別の現状をモロに映した映像とか見ててビクりました(ミカ風味:内輪ネタ許せ).


当時の白人達の,黒人に対する差別表現が激烈なんすよ.言葉だけじゃなく,リンチ映像やクビを切って吊るされた黒人の映像とか,その他諸々のテロ映像がバンバン出てくんの.南アのアパルトヘイトが撤廃されたのは1994年だけど,アメリカが州による黒人分離政策を行うことを禁じる公民権法が成立したのは,その僅か30年前の1964年.所詮,そんなもんである.


こーゆー映像見てると,ナチスドイツのアウシュビッツとかが如何に「異常でない」かを思い知らされる.この南部アメリカで行われてきた黒人差別とナチスドイツの違いと言えば,差別実施のために国家予算をつぎ込んだかどうかくらいのものでしかない気がする.この40年前の白人達が,アウシュビッツを知らなかったワケではないだろう.そしてソコでの実情に戦慄を覚えなかったワケでもナイ筈だ.だが,それと自分たちとの行動を比較することができない.


人間なんてその程度,か.


そんなコトを考えて,チト憂鬱な気分になりながら帰って来て,スーパーへ買い物に出かけた.レジに並んでみると,自分の前に並んでいるのは明らかに身なりの汚い黒人女性だった.少し距離を置いて立ったが,それでもひどく臭う.


彼女が買おうとしていたのは,ビーンズの缶詰が二つと,スナック一袋.あわせて3ドル65セント.彼女が財布を引っくり返して出てきたのは…


3ドルと,17セント――


哀しくなってしまった.おかしいわねお金はあったはずなのよ,そんなことを言いながら,彼女は何度も財布を覗き込む.レジのねーちゃんが「いいわよ,気にしないで」と言いながら自分の財布から50セントを取り出して,その場はソレで済んだワケだったが…,キング牧師の演説の一節が頭に浮かんだ.黒人と白人が手を取り合った自由で平和な世界を,と謳った後で出てくる台詞.

And if America is to be a great nation, this must become true.


キングさん,この国は偉大にはなれないのかも知れないよ

*1:ココでその演説聞けます.⇒http://dreamer1.hp.infoseek.co.jp/dream.html