儒家:孟子,荀子

孟子性善説

孟子さんは紀元前四世紀頃のシト.人間には生まれながらにして思いやりの心「仁」があると.例えば,強盗、殺人など悪の限りを尽くした極悪人がいた.彼はどこかの庭先にいてボーッとしてたんだが,その庭にはようやくハイハイができるようになったばかりの赤ん坊がいる.それがハイハイしながら井戸に近づいていきます。赤ん坊だから井戸なんて分からない.そのまま進んで井戸に…あーーアブナイ!! そうすると,どんな極悪人でもその瞬間には「アッ!」と思わず手を伸ばして赤ん坊を救おうとするとゆーのね.だから人は本来「仁」の心がある、生まれながらに善だっつーわけ.

人は生まれながらに善.だからら犯罪や戦争は起きるはずがないんだけど,じゃあナンデマタ世は乱れ、戦乱に民衆は苦しんでんのよ?
で,孟子は下の者は上の者を見習うと考えた.王の地位にあるものは「礼」を身につけて人民の手本となるベシ.王様がそれをできていないと,下剋上が起きたりして国が乱れるんだバカヤロウ,とゆーわけネ.
だから,もし王がどうしようもない人間で「礼」を身に付いてナイ,立派な行いなんてまるでデキナイ,とゆーシトだったら,結果として人民の「善」を押し潰して,人々を不幸にする場合は,そんな王様は取り替えりゃイイんだよベイベー,とまで言う.コレが「革命説」.革命とは「天命が革(あらた)まる」,んで天命は何によって知ることができるかっつーと,天命は人民からやってくる,という孟子さん.チト過激ネ.

でもそんな孟子さん,諸国をまわって王達に話を説いてまわった.「王よ、礼を身につけよ!天命に耳を傾けよ!」って,エラソー.しっかし,孟子は煙たがられたかというとそうではなかったそーな.大の人気モンで,あちこちから招かれマクリだったんだと.豪勢な馬車に乗って何十人もお供の者達を従えて講演旅行三昧.今で言ったら経営コンサルタントみたいなモンすか?ギャラも高かったらしい.ええのう.

荀子性悪説

紀元前三世紀頃に生きてた荀子さん.コッチは孟子と正反対の性悪説.人は生まれつきは悪なんだヨと.仁や孝を身につけて生まれてきたわけではナイ,だから君主,王たるものの役目は人民に教育して「仁」「礼」を身につけさせるベシ.ビシビシ!な荀子さん.だから教育重視.「非常に劣った駑馬(どば)でもこつこつ歩けば優れた騏驥(きき)をも勝(まさ)る」と、努力を高く評価してたり.それから,二足歩行をして毛がないから人間であるワケじゃなくて,人間としての自覚があるから人間なんだヨ,とも言ってるらしい.
性悪説ってそもそも人気がナイんだけど,ケッコーまともなんだこのシト.人間の生きる欲望を,やむをえないものとして肯定してるんだな.唯物論の芽ばえっすよ,スゴイ.
なわけで,荀子さんは儒家としてはメジャーな流れを作れなかったけど,彼の弟子だった韓非や李斯は法家っつー学問を形成して,どえらい影響力を残したのでした.法家については明後日やるよん.


明日は墨子墨家思想.儒学のアンチテーゼですわ.カッコイイんだコノシト達.