九月二十一日
つくばの独立行政法人農業資源生物研究所にて朝九時から実験開始。使用するマシンは2500万円するとかしないとか。淡々と作業を進め、五時に終了。日本に帰ってから初めて九時〜五時の生活をしたなぁ〜、と思いつつ晩飯を食ったあと、電話を掛ける。
「久し振りだねぇ〜。ナニ、もう日本に帰ってきてんの？」
微妙な茨城訛りのある、相変わらずの喋りクチ。電話の相手は茨城時代に毎週通ったJazz Bar、Girltalk(←クリックしてGO!)のマスターなのであった。ワタクシが何でこんなトコロに馴染みになったのはチョットしたキッカケのオカゲだったりして。
今からもう四年前の春だっけ。茨城県那珂郡大宮町(現常陸大宮市)にある放射線の研究機関にトバされたワタクシ、最初はその研究所の宿泊施設に寝泊りしてたのネ。…なんだけど、“ど”田舎の生活はあまりにも退屈過ぎて、こりゃどーにもならんってワケで、ワタクシは研究室の主任に訊いてみた。
「ココから水戸までって車でどれくらい掛かりますかね？」
「混んでなければ20分くらいで着くよ」
あ、ナンや通えるやん。とゆーわけでワタクシのココロは水戸に部屋を借りるコトに決定。で、茨城に移った最初の週末に水戸を訪れたワタクシ。行った先はお部屋探しのMiniMiniである。担当してくれたのは美人のおねーさん。らっきぃ♪ 部屋を紹介して貰って、２，３箇所の候補を決めたあと、お店の車で部屋を案内してもらう…その車中でのデキゴト。
別嬪さん相手だとヒジョーに口が回るワタクシ。や、おねーさんのコミュニケーション感度も高かったんだが、だんだん会話もヒートアップしてくるウチに、おねーさんは思わず言ってしまったのだった。
「だよね…じゃなかった、ですよね」
ワタクシは確信した。このヒトはおもろい、と。でまー部屋も決まって五月一日から入れるってコトで、収穫の多い水戸訪問なのであった。
そして引越しが済んだわずか二日後。五月三日にイキナリ京都から友人が遊びに来てしまった。さあ、水戸に移り住んでたったの二日、右も左も分からない。もちろん食ったり飲んだりできるお店なんぞ分かるハズもナイ。これどーすっぺよ？(茨城弁風味)
…と、ぴこーん、と頭の上で電球が光る。そーだ、あのおねーさんに聞いてみよー♪ 思い立ったが早いがワタクシ、サクッとおねーさんの名詞に書いてある電話番号をピポパポペ。モチロン職場の電話番号である。
「お電話ありがとうございます。MiniMiniの…」
「あ、おねーさんっすか？ども、こないだの関西弁野郎の内藤ですけど」
「あー、あのときの！どーしたの？」（←既にタメグチ）
「いやー、イキナリ友達遊びに来たんですけどお店とか全然分かんなくって、どっか教えてもらわれへんかなーと思って…」
「あー、そうだよね。じゃあ教えてあげるから、今からコッチ来なよ」
コッチに来い、とゆーのはモチロンMiniMini水戸支店に来い、とゆー意味である。サスガ、ハナシの分かるおねーさんだ。ワタクシの目に狂いはなかったぜ。
で、MiniMiniに乗り込んだワレワレ。おねーさんは地図に書き書きヲススメのお店を教えてくれた。ヨシ、じゃあ今夜はココで食べよう。そしておねーさんのクチから更に驚くべきオファーが飛び出したのだった。
「仕事終わったらイイお店に飲みに連れてってあげるから、食べ終わったらまた電話してきなよ」
「マジっすか」
で、連れて来られたのがこのGirltalkだったってワケである。で、そのまま「面白いコ見つけたんだ」ってカンジでココのマスターに紹介してもらって、コレは今までチョット憧れていたオトナの世界に足を踏み入れるチャンスだと思い、それから二年間、毎週金曜はこのお店に来て強い酒やJazzを嗜めるよーになったのだった。
あ、そうそう、因みにこのベッピンのおねーさん、実はこのマスターと付き合ってたってのはあとで知りました。キレイにオチの着くハナシでしょ。更にお二人は現在結婚されててイイカンジである。いや、マスターはクローン病という不治の病を抱えてるから、苦労がないわけはないのだろーけれど。
…ハイ、回想終わり。で、つくばまで来りゃ、あと五十キロ北へ行けば水戸である。行かないテはナイってワケで、電話を差し上げたシダイってワケ。
電話から一時間半後、店のカウンターに座るワタクシ。
「よく来たねぇ〜ってナンだオマエ修行僧かよ！」
「マスターこそナンすか、髪に色入れて若作りしちゃって」
平日だったので他にお客さんもおらず、ケタケタと笑いながら喋り続けるワタクシとマスター。あとからおねーさんも来てくれて、思い出話やら最近の身の上話やらで楽しく過ごした夜となりましたヨ。
ちなみにこのGirltalk、メジャーなアーティストを小さい空間で間近に見れるキチョーな場所である。関東周辺に住んでる方にはチョーヲススメである。よろしく。
