初心忘るるべからず

いつもは学会で発表するだけでも結構緊張してたんだけど、それが今回は全く緊張せず。さすがにさきがけの面接を潜り抜けたからだろうか。確かに、学界の重鎮が本気で向かってくる面接に比べたら、学会発表なんて朝飯前だと思えてしまう。でも、それはそれで成長したことにはなるんだろうけど、逆に他の人と共感できるインターフェースが一つ減ってしまうってことでもある。

だから、忘れないようにしなくては。多くの人がそうであるように、ちょっと前までは僕も人前で話すだけでも大いに緊張してしまうような人間だったのだ。いや、むしろ僕は他人より余程上がり症だったわけで、だからこそ緊張で震える手を隠すためにレーザーポインタを使わずに指し棒を使い、震える膝を誤摩化すためにステージの上を歩き回り、震える声を意識しなくて済むように、マイクを使わずに地声を張り上げるという、一見破天荒なプレゼンスタイルを採用することにしてしまったのだ。

初めての学会発表で散々な目に会ってから12年。緊張せずに話せるようになるまでそれくらいの時間が必要だかったってことを、忘れないようにしなくては。