金曜日

一般公開1日目終了。せっかく作ったポスターだが活躍の場はほとんどなかった。やっぱ実物を出さにゃいかんのー。来年は塩で枯れてる植物と平気な植物を並べられるよう準備することにしよう。
それよりも、遺伝資源センターの本業である種子保存庫がバカウケだった。整然と並ぶ巨大なだけでも圧巻っぽいのだが、何のためにこんな大掛かりな装置を作ってウン十万もの種子を保存しなきゃいけないのかを説明すると、みんな納得の表情で頷いてくれる。そりゃそーだよね。
将来新種の病気や急激な気候変動が起こった場合、今栽培されている作物ではまともに収穫できなくなってしまう事態になってしまう。そんなとき、大昔に見捨てられた品種とか、チベットの山奥でひっそりと栽培されていた品種なんかが、不測の事態に対する適性を持ってたりすることもあるわけで。だから僕らは、そういうものを少しでも沢山集めてきて、ここに保存しておくわけ。そして保存というのはただ保存庫の中に置いているだけではダメで、定期的に種子を取り出してはちゃんと発芽するかどうかをチェックして、中の種子がまだ生きてることを確認する必要がある。チェックの結果、例えば10粒のうち3粒しか発芽しない、ということがあれば、それは改めて畑に蒔いて、収穫して、新しい種子をまた保存庫に戻す。。。というのが、ここで行われている仕事。
正直に言えば、この保存庫に置かれている種子の出番なんかない方がいい。それは世の中が平和だということだから。でも、100年後か1000年後かは分からないけど、ここにあるものが必要とされる時が必ずやって来るわけで、だから僕らは、この地道な作業を延々繰り返していかなくちゃいけないんだ。
・・・という話だけで、満足率100%。アズキの出る幕はなかった。笑