日曜日
梅を1kg100円で購入できると友人が教えてくれたので、今年こそ、自分で梅干しを漬けてみることにした。面倒くさがりなはずの僕がこんなことを思い立ったのは、去年その友人に「簡単ですよ?『梅干 作り方』で検索すれば幾らでも出てきます」挑発されたからだ。(ちなみに、同じ友人に挑発されて、去年初めて天ぷらに挑戦して、意外と簡単にできると知った)
しかし、1kgの梅が収まる容器なんて僕は持ってない。というわけで、久しぶりに、お気に入りの店員さんがいる柏のフランフランまで出かけた。どうかあの人が今日非番じゃありませんように、と祈りながら店に入ると、カウンターの奥でテキパキと働いている店員さんの姿が見えた。よかった。
店員さんは、僕に気付くなりカウンターから出てきて話しかけてくれる。それだけでも結構テンションが上がってしまう。
「お久しぶりですね。最近いらっしゃらないなと思ってたところだったんですよ」
とか言われたら、益々テンションが上がる。
「そうですよねー、こないだ記念の名刺を頂いたとき以来やから、3ヶ月振りくらいですか?あのときはドキドキしながら名刺を裏返しましたよ。もしかして携帯の番号が書いてあるんちゃうかと思いながら。もちろん書いてなかったですけどね(笑)」
「あー、電話番号は書いてなかったですね」
「まあ今度教えて下さい。でね、今年は梅干しを自分で漬けたろーと思って、だからそのための容器を探しに来てみたんですけど」
「梅干し自分で漬けられるんですか!? 素敵です!」
というわけで、店員さんの中で僕のポイントは上がったに違いない。梅干を漬けることにして本当に得をした!(まだ漬けてないけど)
そんな感じで浮かれながら、帰る前にATMでお金を引き下ろして、テイクアウトのコーヒーを買って、さあ帰ろうかと駐車場に向かい始めた頃、ショッピングモールの館内放送で僕の名前が呼ばれている。お届け物がございます、とか何とか。とりあえず呼び出し先のインフォメーションセンターに向かう。
「今名前呼ばれたみたいですけど、何でしょう?」
「キャッシュカードか何か失くされてませんか?」
「え?・・・ほんまや!無くなってる!!」
どうやらATMでお金だけとってカードを置き去りにしてしまったらしい。梅干を漬けることにしたせいで大損害を被るところであった。