日曜日

ただいまつくば。明後日からインドネシアなので、二日間の休息。。。と言いつつ、今日は半日くらい温室で過ごすことになってしまった。学会の間に植物育ち過ぎだぜ。。。インドネシアから帰って来る頃にはどうなってるんだろう。。。武藤に働いてもらわねばな。。。

さて今回の学会。またもや初日の一発目である。出番が最初だと、遅れてきちゃう人も多くなるのが嫌なんだよね。。。それでも5分前くらいには既に立ち見の人が出るくらい入ってたけど。このところ学会じゃ名物プレゼンターみたいになってきたし、プレスリリース効果も上乗せされて…とか考えてるうちにワラワラ入ってくる。知った顔も沢山来てくれて嬉しかった。

発表が終わると次々と質問の手が挙がった。いつも、この瞬間がいちばん気持ちいい、と思う。育種学会は大人しい方で、質問って出ても1つか2つくらいだし、全く出ないことも多いので座長の負担が大きいんだよね。そんな場所で多くの人に手を挙げさせることが出来たとすれば、それは僕の話の内容がちゃんと伝わったっていうことだし、同時に僕の話が相手の好奇心を刺激したってことの証でもある。しかし東北大の教授の質問に対しては完全に勉強不足を露呈してしまった。でも答えられないときも別に焦る必要はなくて、「すんません勉強し直してきます」と頭を下げて許してもらう。もちろんその後勉強しました。

自分の発表が終わったら、次のセッションで座長。発表時間を大幅にオーバーしてしまった人がいたので、お互い顔見知りでもあったことだし「ちょっともー○○さん、ちゃんと12分に収まるように作ってきて下さいよねー」と、言ったら、えらい噂になってしまった。「彼は時間オーバーした人にビシッ!と言ってた、あれはカッコ良かった」みたいなことに。。。これって僕は持ち上げられるけど、相手にとっては何だか穏やかじゃない気がするんだけど。。。うーん。。。まあ、誰であれ発表時間はちゃんと守って欲しいけど。

そして学会奨励賞。あちこちから推薦された6人のうちの3人に選ばれたらしい。前々から師匠が「今年はキミを推薦します」と言ってくれてたんだけど、本当に受賞してしまった。師匠が同じ奨励賞を受賞したのが10年前。まだ修士だった僕は、師匠の受賞講演を聞きながら「僕は凄い人の下で学べるんだなあ」と思ったりしてたんだけど、今度は自分があの壇上に立つわけか。当時の僕が24だから、師匠は35だったはず。そして僕も授賞式のときには35になってる。同じ歳で受賞とは、何という偶然だろう。そう思うと、感慨も深い。

でも、正直言って、不安も大きい。懇親会の席で、ある人からこんなことを言われた。

「おめでとう。でもお金も獲って、賞までもらったんだから、キミはもう止まることを許されないよ」

本当にそうだと思う。期待も注目もされるだけに、アメリカにいた時とはまた種類の違うプレッシャーをビリビリと感じる。でも、こういう期待や注目を利用すれば、これからやろうとしていることが、もっとやりやすくなるはずだ。そしてそれは、上手く頭を使いさえすれば、きっと出来るはずのことだ。それに、リスクとかプレッシャーとかそういう全てのネガティブな側面を差し引いても、僕はそれをやりたいと思っているのだ。

…やるしかないだろ。