木曜日

後学のため、ということでとうとうドラッカーのマネジメントを読み始めてしまった。さすがに方々で話題になっていただけあって、心にズシンとくる言葉が多い。

「もし今日これを行なっていなかったとしても、改めて行おうとするか」を問わなければならない。答えが否であるならば、「それではいかにして1日も早くこれを止めるか」を問わなければならない。

この問いを自らに課すことには耐えられない人もいるかもね。でも、研究者にとってこれはメチャクチャ重要なことだと思った次第。僕? もし昨日までの僕がアズキ研究をやっていなかったとしたら、今日からアズキ研究を始めるよ、絶対。

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

あと、もう結構前なんだけど、アマゾンの奥地で暮らす原住民族「ピダハン」に関する本も読んだ。アメリカ人の著作よろしくプロローグがえらいくどくて、奥さんがマラリアで死にかけたときの顛末とか、そんな細かく書いてくれんでええがなと思ってかなり読み飛ばしたけれど、ピダハン語の文法の特異性、色を差す単語もなければ、自分を中心にした方向を表すことば、つまり前後左右を表す言葉もない、という事実には本当に驚いた。そしてその事実が意味するところ、つまり言語と文化との関係、そしてそれらが人間の知覚や認識にどういう影響を及ぼしていると言えるのか、等々の考察に関しては食い入るように読んでしまった。ちなみにこの人は20年以上に渡ってピダハンの人たちと一緒に暮らしながら研究をしていたわけで、それに比べると僕らの遺伝資源探索なんて大したことないな、と思わざるを得ない。だからって、僕らが現地の人たちと混じって生活をしてたら研究が全く進まなくなってしまうんだけど。

ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観

ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観