日曜日

嫁が金曜から学会で横浜へ。嫁が土曜は発表もないし抜け出せるから横浜でデートしよう、と言ってたのだけど、結局ガイジンとの打ち合わせが入ってしまってお流れに。嫁は只管謝ってたけど、せっかく学会に行ってるんだから学会でしかできないことをやってる方がいいんじゃない、僕も花粉が飛んでる中を出歩くのは正直しんどいかもなと思ってたから。どんまい。

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金曜の夜は、高校生と会ってきた。どの高校生かっつーと、去年の11月に生物研に見学に来て、僕の話を聞いてくれた高校生たちのうち、4名と。あのあと全員から感想文が送られてきたんだけど、連絡先を交換した二人がそこに「また会いたい」の一言を書いてくれてたんだよね。そんな嬉しいことを言われたら、会ってやらないわけにはいかないじゃないか。それに、若いうちに自分の呼びかけに応えてくれる、そういう大人と出会うことって凄く大事なことだと思うから。

というわけでその二人にメールを送る。「君らが感想文に描いてくれてた言葉を真に受けてメールしてみることにした!もっぺん会ってみるか?」と。(ちなみに二人とも男子だからな。勘違いするなよ!)

んでまあその後あれこれ連絡を取り合ってるうちに、他に来たい連中がいれば誘っていいとか、でもそうすると予定がなかなか合わなかったりして、ほぼ4カ月も経とうかという一昨日になって、ようやく実現したというわけだ。

再会した高校生たちからは嬉しいことをいっぱい聞かされた。
「生物研のあとJAXAに行ったんですけど、全然詰らなくて、コイツとか完全に寝てましたからね」
「マジで!?オレのアズキが宇宙の神秘に勝ったってこと?」
「いや、JAXAに人の説明ってマニュアル通りっていうか、一般の人にはこういう風に話しなさいっていう決まりがあるみたいで。でも内藤さんって本当に僕たちのために準備してくれてた話でしょ?」
「それアズキがどうのっていうよりキャラの問題やん(笑)。でもほんまにキミらに話す前はもうメチャクチャ緊張したで。だって高校生やで?どこから話したらええやろ?とか、高校生のときの自分らって何をどれくらい知ってた?とか、嫁とか同世代の友達とかにメッチャ相談してたもん。もう1カ月くらい寝れんかったで」
「そうなんですか。でも僕らの高校では内藤さんはもう有名人っすよ」
「ん、なんで?」
「職場見学のあと、見たり聞いたりしてきた内容をみんな自分のクラスで発表しないといけなかったんですよ。で、僕ら20人は全員内藤さんの話をしたんで。だから僕らの学年全員知ってます、内藤さんという面白い人がいるってことは。」
「そこかい。大事なことはアズキやぞ、アズキ。」

まあしかし褒められて喜んでるだけじゃわざわざ再会した意味がない。僕の方からもサイエンスの入り口っぽい話をしたりした。あと、講演のときに彼らに向かって「若い時にできるだけ本を読んどけ」と言ったんだから、ということで一つ準備をしておいた。

「実は今日はええもんを持ってきてるんや。このエルメスの紙袋から出てくるのは何と。。。じゃじゃーん!『性欲の化学』!」
「あの本ですか!講演のときもコイツが唯一メモを取ったのが、この本のタイトルでしたからね(笑)」
「そらあかん、オレの講演も大失敗や!(笑) けど多分、まだ買ってへんやろ?」
「はい」
「良かったら持っていけ!貸してやる。そして3カ月後くらいにまた会おうや。ちなみに他にもオススメ本を持って来たぞ。『宇宙創成』、『脳はこんなに悩ましい』、あと『銃・病原菌・鉄』に、『四コマ哲学教室』。キミらで適当に回し読んどき」

という感じで、3回目の約束をして解散となったのであった。やっぱり話題を選ぶのには苦労したけど、でも色々懐かしくなったなー。できる限り続けよう。嫁や友人を巻き込んだりしてみるのも楽しいかも。