日曜日

植物生理学会から帰ってきた。あの学会で上の方いってる連中は本当に突き抜けてるよなぁー。彼らには本当に知りたい生命現象があって、それを明らかにするために実験系を自分で考えて作っちゃうところから研究が始まってるんだもんね。さきがけ仲間で、今回奨励賞を貰ってた小田くんの研究なんか、心の底からカッコイイと思う。飲み会で一緒になった人の中にあんまり話さずに黙ってる人がいたから話を振ってみたら、孔辺細胞だけを単離する方法を開発して、どうして孔辺細胞にだけイオンチャンネルが沢山あるのか、その理由を明らかにして論文書いたとかいう話が出てきてぶったまげた。ここは、こういう人たちが沢山いるところなんだなと実感したよ。すなわち、ここでアズキのなかまを宣伝し続けることは物凄く大切なことなんだなと。

そして自分の発表なんだが、これが最終日の午前中。しかも植物生理学会の中では異色のゲノムやデータベース系のセッションってことで、沢山の人に聞いてもらうには有利な状況とは言い難い。でも、さきがけの小田くんや僕のことを知ってくれてる人たちが、「彼のプレゼンは凄いから絶対聞いたほうがいいよ」と言ってくれたのは大いに応援になった(あと、遠くの友人も)。本当にそれで聞きに来てくれた人が何人もいたから。必要以上にハードル上げられてプレッシャーを感じたのも事実だけれど、でも、初めて発表する学会だから尚のこと、自信あったんだよね。こんなプレゼン見たことないって思わせるくらいの自信は。それだけの自信があったからか、さすがに沢山場数を踏んできたからか、今回は全く緊張しなかった。プレゼンの中でも渾身のアニメーション付きスライドを見せながら喋るところで、観客が笑いながら頷いてる様子もよく見えたしね。
 発表後、聞いてくれた人から個人的に「別に発表者があなたでなくても、あの植物の写真を見せられるだけで凄いってなっちゃうと思うんですよ。十分に。でもそこにあのプレゼンスタイルが加わるんだから物凄い」「あの話を聞いてたら、うんうん、これは本当に早くやらなくちゃ!っていう気になってきちゃいますよね」「そう、オレもそんな気分になっちゃって、負けたと思いました」みたいなことを言ってもらえた。いやいや、僕自身は本当に自分がいちばん大切なことをやってるんだって信じてるんだけどって返しといたけど(笑)。
 まーとにかく、今回の自己採点は100点満点でよかろう。伝えたい内容は伝わってるし、印象を残して僕のことを憶えてもらう方も上手くいった。自惚れるわけじゃないけれど、昨日の自分は自分で褒めてあげても罰は当たらないはず。
 さて、来週は育種学会でプレゼン二つ、そして作物学会の若手の会でも話すことになってる。それが終わったら、アメリカと韓国で競争相手と交渉だ。パートナーの仕事が間に合ってくれたら最高のカードになるんだけど。

しかし嫁にはゴメンとしか言えないな。一緒に暮らせるのは今月限りなのに、僕は今いちばん忙しくなってしまっている。もうちょっと一緒にいる時間が欲しかったけど。。。何も言わずにいてくれる嫁に感謝します。