金曜日

ただいまジャパン。長い長いアメリカ出張だった。

出発直前に風邪っぽい症状が出始めて、何かマズそうだなと思いながら飛行機に乗ったらそのまま本格化、サンディエゴに着陸した頃にはもう熱と頭痛でヘロヘロであった。腰も異常に痛いし。。。
とりあえずホテルに移動して、チェックイン後は只管寝た。

翌朝から会議。アスピリンを飲むと熱が下がって動けるようになった。フラフラしながら出席。会議自体は夢のあるプロジェクト。。。と思いかけてたけどやっぱり無理そうだと思った。どう考えても全ての作物に統一したフォーマットなんて必要ないもの。それを作るための会議だったのに。

で、FAOの人間とコンタクトを取る。前に僕のプレゼンを聞いて、予算的に支援したいというメールを送ってくれていたので。詳しく聞いてみると「アジアのVigna作物で、気候変動に関連したテーマで途上国のどこかとの共同研究であること」という条件なら来年からお金をくれるらしい。気候変動に水害を含めてもOKなら、是非ともやりたいアイデアがあるんだが。。。とりあえず関係者全員に相談してみよう。

会議二日目もまだフラフラしつつ出席。熱は大分下がったが今度は声が出なくなった。会議自体への今日実は前日から急激に失せてしまったが、関わっておいた方がいいかなやっぱり。何にせよ今回感じたのは僕自身のジーンバンクに関する知識が全然足らんということだった。いかんいかん勉強しよう。

会議が終わったら今度は学会である。もはや何百何千という生物のゲノムが読まれている本当にどのゲノムを何のために解読するのかってのは超重要な問題だ。とりあえず大事な作物だから読んでみた、ってんじゃ絶対通用しない。ゲノムを読むことでどんなブレイクスルーが生み出せるのかってことくらいは、ゲノムを読む前にちゃんと考えましょうって話だよね。今回の発表で迷走していたインゲンマメのゲノムプロジェクトが完了したことが伺えたけど、それでも意味が分からん解析をいっぱいやってた。ゲノム解読だけじゃ大きな論文にならないと思って色々データを付け足したんだろうけど、インゲンマメでそんなん調べてどないすんのと思いながら聞いてた。

それにしても技術の進歩って本当に速いなあ。Pacbioでヘテロゲノムをアセンブル手法も現実のものになりつつあるようだ。イルミナはまたとんでもないシーケンサーをリリースしてきた。でも、新しい技術に飛びつく前に死ぬほど考え抜いておかないと、研究そのものはどんどん詰まらなくなっていってしまうんだろう。

僕らは研究者。何よりもまず頭を使うのが仕事なんだぜ。