水曜日

あまりにも腹が立ったので吐き出しておく。

先週プロジェクトの事務局から電話があって、プロジェクトが今年度で打ち切りになるかも知れないと言われ、さすがに慌てた。さきがけの研究や構想段階の研究を将来実施していく土台を築くためのプロジェクトだったので、そこを潰されると全てが深刻な影響を受けてしまう。自分で言うのも何だが、僕の研究は誰に対しても面白く意義深いと思ってもらえるもののはずだ。第一歩のアズキゲノムは完成間近だし、他にもどんどん面白そうな成果が上がってきてるし、僕らの研究はまさにこれからじゃないか。本当にこれからなのに、その足場になるプロジェクトが打ち切りだなんて、一体どういうことなんだ…。

事務局からは「あらためて審議を行うことになるので、プロジェクトの要点をA4一枚にまとめて明日までに送ってください」という。何だよそれ。今年度の報告書も、来年度の計画も、相当気合を入れて書いたし、様式の1ページ目がまさに「プロジェクトの要点を1ページ以内に纏めてください」だったはずじゃなかったかよ。…とはいっても打ち切られては堪らないので、その日の夜に、冒頭にプロジェクトの意義を4行で凝縮した文章を載せた書類を作ったわけだ。そのお陰でかどうかは分からないけど、とりあえず評議会では継続が決まって、事無きを得た。。。というのが先週の事件。

で、今日事務局の理事から電話があって、「継続に関してある評価の先生から『成果が出ていないし継続はどうなのか』という答申があって議論が混乱しましたが、私としてはこういう研究は最後に成果が出れば何の問題もないのでOKとしました。とにかく自信を持って頑張ってください」と。

理事から直々に電話を掛けて頂いたことには深く感謝したいところだが、「ある先生」って…アイツか。あの評価委員か。

このプロジェクトには予算を出してくれている事務局の審議官と外部から選定された評価委員が一人ずつ付くことになっている。そしてその審議館と評価委員は年に一度、プロジェクト担当者が所属する研究施設を訪れて現場視察を行い、プロジェクト担当者からの中間発表を聞く。そういうことになっている。
 ところがあの評価委員は、1年目の現場視察に来なかった。そして今年度、2年目の現場視察には来ると言っていたのにキャンセルし、それどころか僕らを東京のオフィスに呼びつけて中間発表をさせた。発表を終えた僕らに対して評価委員が最初に発した一言を、今でもハッキリ憶えている。

「技術的なことに関してはそちらが専門だと思いますので、こちらから言うことはありません。」

そこをスルーしてどうするんだ、じゃあアンタいったい何の評価をするんだよと思ったら、研究の目的そのものを疑うような質問ばかりしてきた。。。予算を採用しておいて目的に文句があるとか意味が分からない。ダメだこの評価員、、、というか、技術的なことを評価できないならどうしてこのプロジェクトの評価委員を引き受けたんだろうか。…あ、そう言えば。

プロジェクトが見事採択され、あらためて事務局で全体計画をプレゼンしたときのことだ。相手は事務局の人々とその評価委員。で、そのときの評価委員はしつこく言ってきたのだった。「野生種のゲノムを読むのも結構ですが、やはり○○とか××の栽培種も含めるべきではありませんか」と。そもそも環境への適応性が優れたものを読まないと意味がないので、その○○や××を入れてしまうと本来の目的に矛盾してしまう、だからその提案は受け入れられません、と突っぱねた。もちろん。でもどうしてあんな明らかに目的に合致しない提案をしてきたのか不思議に思って、その評価委員が運営する研究室のWebサイトを見てみたら、、、まさかだよ。その○○や××を使った研究をしてるんだよ、そこが。

要するに、その評価委員は一度も現場視察をせず、技術的な評価は専門外だからと完全にスルー、にもかかわらずプロジェクトに対して打ち切りが妥当という評価を下し、しかも、立場を利用してプロジェクトを自分に有利な方向へ誘導しようとしやがったわけだ。そんなヤツに潰されて堪るかよ!!

…とはいえ、自分に決定権はなかったからな。。。マジで、事務局の理事が理解のある人で助かった。

でも…僕は絶対に忘れないんだよね。僕の邪魔をしようとした人のことは。