火曜日

今月は戦いだった。とりあえず明日提出すればこの戦いは終わる。それにしても今回は結構制約の多い研究予算だったなぁ。。。それに合わせて言葉を選ぶのも大変だった。通ればいいけど。。。どこかもう一声足りないという気はする。壮大な構想であると言い切る自信はあるけど。

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史記 武帝紀 1 (時代小説文庫)

史記 武帝紀 1 (時代小説文庫)

最近ずっとハマッてた。全7巻というかなりの長編。漢の第7代帝、武帝の物語。60年という長い治世の間に匈奴を打ち払い、黄河の治水を成し遂げ、西は大宛、南は越南、東は朝鮮まで外征し、前漢王朝では最大の版図を築いた。粘り強く人を選び、試し、育て、大きな成果を挙げさせる壮年期の姿は只管にカッコ良かった。

しかし治世の後半には、強大な権力を徒に振るうだけの暴君になってしまう。諌める者は遠ざけられ、周囲には阿る者ばかり。全てが思いのままになってしまい、気に入らないことは臣下に責任を取らせて殺してしまう。しかしその裏にある、全てが労せず手に入ってしまうがゆえの、孤独。

正直、武帝は退廃したまま絶望の中で死んでいくのかと憂鬱な気分で読み進めていたのだけど、どうしてなかなか、感動しまくりのクライマックスだった。側近中の側近とも言える、桑弘洋の最期は涙なしには読めない。史実では、武帝の死後間もなくして桑弘洋は反乱を主導しているのだけど、その理由をこんな風に解釈した作者に僕は拍手を送りたい。

衛青、霍去病、桑弘洋、李広、李陵、蘇武、霍光、そして司馬遷。特に晩年の司馬遷が吐くセリフの一つ一つは心に沁みた。

武帝に追い詰められた後、力を蓄えて反撃に出た匈奴の描かれ方も熱かった。

面白かった。三国志もメチャクチャ面白かったけど、これも大変面白かった。