水曜日

何と、9月はブログを更新しないままに終わってしまった。。。1周間の休暇をとって嫁と北海道旅行をして、遺伝学会に出て、そして育種学会に出た。そんな9月。

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今年の遺伝学会のハイライトは何と言っても角谷先生の受賞講演だったな。エピジェネの先駆者だもの。驚くべきは角谷ラボ出身の面々。ほとんど全員が今や有名人。ほんとに凄い人だ。

でも、角谷先生の後は追わない。角谷先生が旋風を起こしたお陰で、今エピジェネは遺伝学会でいちばんメジャーな研究分野だ。でも、そういう分野ではもう旋風は起こせない。僕がやらなくても、放っとけば絶対誰かがやっちゃう分野に対してはモチベーションが湧いてこない。やっぱり、「オレがやらなきゃ誰がやる!」ってモノじゃなきゃ。自分の旗印を掲げなくては。

あとは自分の発表も大ウケだったし、ちょっとした会話が共同研究へ急展開したりと、実り多き学会ではあった。あと滋賀県長浜市にはうまいもんがいっぱいあった。

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育種学会は宮崎県都城市という恐ろしくアクセスの悪いところにあったけど、いいとこだった。地鶏うまかったし。

この学会は本当に忙しかった。一日目は座長とワークショップの主催、二日目は男女共同参画のランチョンセミナーと口頭発表。いわゆる出ずっぱり。

それにしても、男女共同参画となると、研究と子育ての両立という単一モデルが正義だ、という結論に至るのがありがちですね。そして多くの女性研究者がそうなれるにはどんな環境が必要なのか、という話になる。でもそんな状況が整うのを待っているうちに、僕ら歳取っちゃうじゃん。理想を掲げるのは勝手だけど、じゃあその理想に届いてない人々は、現在の境遇に不満を抱かなければならないのだろうか。いやいやいやいや、現状で十分、吾唯足るを知るという考え方・生き方を取る道だってあるだろう!

というわけで僕は今回爆弾を落としてみた。研究のために出産を諦めて何が悪い!というメッセージを声を大にして叫んでみた。幸福とは何か、愛とは何か、という哲学者の言葉を引用しながら。

結果、若い層にはウケたが、もう一人の講演者と主催者には大顰蹙だったな。とにもかくにも、多くの人には今まで考えてもみなかったようなことを考えさせる機会になったはず。

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そう言えば僕は嫁との生活について話しているときに、年配の人からよく言われる。

「今がいちばん楽しいときね」

と。結婚前も。結婚後も。その言葉には毒がある。「そのうちそんなこと言ってられなくなるから」という。

でも僕たちはそういう言葉に対して心のなかでそっと言い返す。

あなた方がハマってきた罠に、どうやったらハマらずに済むのかを考えながら生きてるんですよ、僕たちは、と。