vol.6

ワタクシは,頭を抱えていた.どうすれば,よかったのだろう.アイツの死によって,ワタクシもまた彼女と同じように苦しんでいなければならなかったのだろうか.或いは,他の予備校仲間たちとの付き合いを控えておけばよかったのだろうか.それとも,もし彼らとバカ騒ぎをするような人間が,彼女にとって信用に値しないのならば,遅かれ早かれこうならざるを得なかったのだろうか.彼女の話し相手となる資格さえないのなら,一年前に彼女が電話してきたときに,応えるべきではなかったのだろうか….
最初に考えていたのはそのようなことだった.要するに「自分はベストを尽くした.それでこうなったのなら仕方がない」という論理だ.だが日が経つにつれ,ワタクシはそのような自分の考えに対して疑いを抱くようになった.まず問題の第一は,なぜ予備校時代の仲間と,彼女の間に埋めがたい亀裂が生じてしまったのか,ということである.
…続く